スタンダードプラン

株式会社ホリプロ

人材を重視するエンタメ企業と人の資質を研究してきた会社の出会い

創業以来60年余り、大衆とともに歩む「文化をプロモートする人間産業」を社是に、エンターテインメントのあらゆる領域において、ナンバーワン&オンリーワンのコンテンツを作ってきた株式会社ホリプロ。時代のシンボルとなるスターの発掘、育成はもとより、タレントだけではなくスポーツ選手や文化人など、多岐にわたる分野の人材のマネジメント、映像や演劇の制作などさまざまな事業を展開してきた。
22年卒業予定の採用選考で、AI面接サービスSHaiNを取り入れた。その経緯を、経営企画本部人事部の和田瑞希さんに聞いた。

公平、公正で客観的な評価をしたい

採用選考にShaiNを使うことになったきっかけは、堀社長からの「AI面接を取り入れたらどうか」という提案だった。もともと新しい技術、より良い人材の採用方法などに関心を持っていた社長からの声掛けに、和田さんはAIを使った採用面接ツールを調べ、SHaiNに行きついた。「タレントアンドアセスメントさんは以前から採用のコンサルティングを行っていた会社であり、人の資質を研究し続けてきた会社が開発したサービスとのことで、興味を持ちました」。

ホリプロは有名企業なだけに、毎年数多くの学生がエントリーしてくる。そのため、他社と比較しても選考は複数回重ねることが必須となるが、そこで課題となっていたのはどんな点だろうか。「初見で人を判断・評価するというのは、誰にとっても本当に難しいことです。そのため、どうしても面接官の経験則や価値観に寄ってしまうところもある。面接官によって関心を持つ点も違うでしょうし、深掘りするポイントも変わってくるかもしれない。面接官全体に研修をしたとしても、人が行うからこそ起きるハロー効果や論理的錯誤などの心理的錯覚は拭いきれず、時間的制約もあってハードルが高い。どこかのフェーズで、きちんとした客観点な評価を得られる機会が欲しいと思っていました」。
客観的な評価を人間が行う難しさというのは、どの企業も抱える課題と言っていいだろう。「SHaiNが優れていたのは、客観的評価をする1つの手法である構造化面接をAIが学習しているというところです。なので、学生がどのように答えても、たとえ話下手でも、最後まで公正・公平に話しを聞いて、きちんと資質を評価する。すごく頼もしく感じましたね」。

さらに導入時の説明も納得を得られるものだったという。「SHaiNでは測れない資質もある、ということもはっきり伝えていただき、信頼感が増しました。『社風や企業文化に合うかどうか、人の熱意や志望度合いは人が判断してください。』『決断力や判断力は面接で判断できる項目ではないため、ShaiNでも測れません』といった話は、選考のどのフェーズで何を確認するのか、といった選考フローそのものの視点を見直す機会にもなりました」。

人とAIの評価にギャップはあるか?付加価値は何か?

本格的に導入する前のトライアルでは、入社したばかりの社員に協力を得た。確認したかったのは2点。AI面接と自分たちの面接での見立てにギャップはあるのか?と、AI面接を使用する付加価値があるかどうか?である。

ギャップに関しては問題がなかった。「自分たちが行ってきた評価も間違っていなかった、と確証を得られた感じです。客観的な評価も得ることができ、この評価で良いんだ、という自信をもって次へ進んでいけました」。付加価値の部分に関しても、これまでの面接では知ることができなかった部分が見て取れるようになったと言う。「もともと、一人ひとりに時間をかけしっかり話を聞く時間を設けて、公平な評価をしたいという思いがありました。けれど、時間は限られている。ShaiNによって、1時間あまりにわたり候補者がしっかり話してくれた内容がデータとして得られたのは大きかったですね」。
結果、SHaiNを活用するイメージができ、導入に踏み切った。

変革期の今、必要な人材とは

「今、世の中は変革期です。こういった時代だからこそ自社に必要な人材はどんな人なのか。今年は特に、その点も課題として持っていました」。ShaiNの導入に際して、ホリプロが求める人物像を改めて洗い出してみたという。「タレントマネジメントや制作などの仕事で必要とされるいくつかの要素をお伝えしたところ、タレントアンドアセスメントからは『そこはShaiNのこの資質で確認することが可能』といったアドバイスをいただきました。選考では、ShaiNの評価をもとに見極めるべき資質を見逃さないよう、次の面接で深掘りしたい箇所を確認していきました」。

今年、新たに取り入れたShaiN。和田さんには、大きな収穫と感じてもらえたようだ。「例えば、バイタリティ7という同じ評価でも、それぞれに色々な要素や個性があって、みな同じではない。それらを細かく見ているところがすごいですよね。今後は入社後の配属や育成にも使えるといいですね、と人事部長とも話しています。とても奥が深いサービスなので、今年は初めてでまだ活用しきれなかった部分もあるかと思います。理解を深めて使いこなせるようになっていきたいですね」。
時代の先端を走りながらも「人を育て、マネジメントする企業」として、可能な限り丁寧で公平な採用プロセスを実現したい——まさに一人ひとりの人となりを重視している企業姿勢と強い思いが感じられた。

 

2021年10月10日時点