スタンダードプラン

株式会社アキタフーズ

採用フロー改革で、距離やコストによる採用機会の損失を最小限に

「きよら グルメ仕立て」などのブランド卵で知られる株式会社アキタフーズ。通常では外部業者に委託される種鶏、ヒナのふ化、飼料配合から卵の出荷まで、すべての分野・部門を他人任せにせず、国内で唯一の「完全直営一貫生産システム」を確立している。広島県福山市に本社を構え、全国に18カ所の事業所(うち6カ所を採卵鶏農場)を展開し、「安全・安心・新鮮で、おいしい」をモットーに高品質な卵を消費者に届けている。

採用を担当している人事部次長の齊藤和毅さんにお話を伺った。

農場長による面接とエントリーシート(ES)を廃止して負担を大幅減

アキタフーズはSHaiNを2019年新卒採用より導入している。従来の採用フローでは、エントリーシート(ES)を提出してもらい、農場長立ち合いでの一次面接後、通過者には人事管理職が最終面接を行って採用決定としていた。アキタフーズにおいてもっとも負担になっていたのは、農場長が一次面接のために現場を離れることだった。生き物を扱う生産現場の責任者が不在という事実は重い。農場からの移動時間を含めての経費負担も大きかった。
「一次面接でAI面接を試験導入した時、二次面接で話した本人の印象が概ねAI面接の評価レポートと合っていたことから、現在は一次面接をAI面接に切り替え、二次面接を人事管理職が行うフローで選考を実施しています。農場長の面接もエントリーシート(ES)もすべて廃止しました。AI面接ですべてカバーできる、それ以上の情報が得られるとの判断です。これにより候補者と現場の両方の負担が大きく軽減されました」と齊藤さん。

対話型AI面接サービスSHaiNの活用で対人面接の質問を深めることが可能になる

齊藤さんはSHaiNを知ったとき、これまで考えていた採用における問題が一気にクリアになると確信したという。
「自分でもAI面接を受検してみました。最初は機械相手なのでちょっと腰が引けましたが、話しているうちにもっと聞いてほしくなります。AIが結構しつこく聞いてくる質問も、逆にちゃんと理解してくれているんだな、という気がしましたね。1時間もの間、自分がしてきたことを話す機会など普段はほとんどありませんから、手ごたえを感じました」。

SHaiNの結果をまとめた詳細な面接評価レポートにも驚いたという。
「ここまで人生がわかるんだな、と実感しました。ESは候補者の負担がとても大きいにも関わらず同じような内容になりがちですが、このレポートは一人ひとりの背景がしっかり表れます。これだけの情報を面接の前に得られるメリットは大きいです」
二次面接での質問はレポートの内容の深掘りを行っている。「自分を知ってくれている」と感じる候補者の反応は良好で、面接を効率的に進められることも大きな効果だ。

ただ、まだまだAI面接に対する誤解は感じるという。
「実際にやってみるとAI面接にはほぼデメリットはないんですけど、メディアで不安をあおるような報道がされてしまうと、AIという言葉に対する変な先入観を持つ人が出てきます。そんなことが払拭できるよう、しっかりとした認知がなされてくるといいですね」。

採用基準が明確に。選考以外にも広がる可能性に期待

アキタフーズの採用においてSHaiNは明確な効果を挙げている。応募者が増え、採用人数の確保ができたことはもちろん、2019年・2020年と2年連続で、広島県福山市の本社からはるかに離れた北海道の大学からの採用が実現した。地方の企業では、首都圏をはじめとする他の地域からのエントリーはなかなか期待できないのが現状だが、SHaiN導入によって採用地域は一気に広がった。候補者側にとっても、従来であれば交通費の負担や往復の移動時間を考えるとできなかったチャレンジが可能になっている。

齊藤さんはSHaiNの可能性に大きな期待を寄せている。
「新卒採用は内定と入社で終わりではありません。当たり前ですが、定年まできちんとパフォーマンスを発揮し続けられるかどうか。会社はそのために何億円もの生涯賃金という名の投資をします。それほど大切なことを30分程度の表面的な面接で決めるのは非常に困難なことなのです。AI面接を導入してから、私どもが求める資質を明確にして採用することができるようになりました。このデータを5年10年と蓄積していくことで、今後はさらに欲しい人材を採用できると確信していますし、選考だけに終わらせず、その人に合った育成や異動配置など、さまざまな可能性を見据えています」。

2019年9月12日時点