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ライトプラン

株式会社吉野家

AI面接の導入は、応募者側のニーズに寄り添うために

「うまい、やすい、はやい」のキャッチフレーズで、牛丼といえば誰もが知っている株式会社吉野家。120年の歴史の中で、常によりおいしい牛丼を追求し続けてきた。2018年からアルバイト採用(一都三県の首都圏エリア)をはじめ、中途社員、フィールド社員の採用にSHaiNを導入。その効果はすぐさま他のエリアに広がり、株式会社西日本吉野家の中・四国エリアでも、同年6月からアルバイト採用の導入に踏み切った。SHaiNによって軽減された負担と今後SHaiNに期待する点を本部採用センターの依田庄平さんに伺った。

「応募者側に寄り添うためのツール」という対話型AI面接サービスSHaiNのコンセプトに納得

「AI面接のイメージは、人気企業が多くの受検者をフィルタリングするためのツールというものだった」と依田さん。ところがAI面接のコンセプトを聞いて、認識が逆転したという。「”応募者に寄り添うためのツールです”と言われたんですよ。これまでは店側の都合で、面接の日時などを決めざるを得なかったんですが、AI面接なら応募者が自分の都合のいい時に受けられる。これは応募者側のハードルが低くなる、と納得しました」。実際、アルバイトに応募してくる高校生たちは、日中は学校がある。応募者と店、双方にとってメリットがあるなら、試してみる価値はあると思ったそうだ。

吉野家では、神奈川県74店舗でのアルバイト募集に2018年11月からSHaiNの利用を始め、2019年春からは一都三県に広げている。アルバイトなので、質問項目を1資質に絞ったSHaiNライトプランを選択。今のところ、吉野家ホームページからの応募時に、店長による面接か、SHaiNかを選べる形だ。

忙しい店長の業務負荷軽減に貢献

首都圏に422店舗を展開している吉野家。複数店舗を管理している店長たちは、深夜勤務明けに別の店舗へ行って応募者と面接することもある。だが、そうしてお互いの都合を合わせて面接の日時を決め、約束の店舗で待っていても、ドタキャンされることも少なくない。「そんな時は疲れも倍増しますよね。店長の負担を軽減できるのが、AI面接の一番のメリットです」

SHaiNを使った面接の場合、関東営業本部で一括して採用までを決めている。これまでの合格率は58.6%。採用センターの業務は増えたが、その分、忙しい店長の負担はだいぶ軽減された。「最初のうちは、本当にAI面接の採点結果を信頼していいのか不安もあった。それで私たちも全部の動画をチェックしていました。でも最近は、評価レポートの結果が一定の基準をクリアしている方は、そのまま合格としています」ときっぱり言い切った。

2019年9月からは、企業が独自で聞きたい質問を3つ入れられる「フリー質問」も導入された。吉野家では、勤務可能な曜日や時間帯、飲食店での勤務経験などを聞いている。「勤務できる時間帯が事前にわかるのはいいですね。以前に吉野家で働いていた経験をお持ちの方もいます。その当時の勤務状況などを確認して、問題がなければ太鼓判で店長に紹介します」

期待される効果は、地方での新店開店時と評価のバラつきの解消

今後、SHaiNの効果が一番期待できることは、地方に新店を出すときだという。「オープン前のまだ店舗ができていない段階でアルバイト採用の面接をするのですが、場所を借りたり、面接官を派遣したりする手間と経費がかかります。その部分を削減できるメリットはとても大きいです。地方でこそAI面接は使い勝手がいいと思います」。

一都三県だけでも数千単位の応募があるというアルバイト採用。「AI面接には、人間が観るために生じる評価基準のバラつきが平準化され、客観的評価による採用でサービスレベルが向上することを期待しています。まだアルバイト採用は全国展開には至っていませんが、AI面接の認知度が上がって、『吉野家がやってるぞ』っていう噂がさらに広まれば、AI面接による面接を自社ホームページ以外の媒体での募集にも広げていく予定です。面接時間のすり合わせをしなくてもすぐ自宅で面接ができれば、働き始めるまでの日数も短縮できます。そういった点で応募者と店長の双方にメリットがあるという認識が広がれば、より一層の多くの店舗で利用することが可能になるでしょう」。

スタンダードプラン

ロジスティックスオペレーションサービス株式会社

面接はAIと対面とで役割分担。採用の可視化だけでなく入社後のキャリアパスをサポートするツールとしても活用

ロジスティックスオペレーションサービス株式会社は、2006年9月に設立され全国40か所に事業展開している物流オペレーションの専門会社。物流拠点における入出庫や保管のみならず、倉庫オペレーションにおける生産性の向上や、輸出入や調達等のバックオフィスサービス、さらには人材派遣までを担っている。
2020年から新卒採用で対話型AI面接サービスSHaiNを活用してきたロジスティックスオペレーションサービス。導入2年目に入っての手ごたえを、人事担当の松川明日香さんにお聞きした。

評価レポートによる工数削減と回答内容の可視化が実現した

ロジスティックスオペレーションサービスがSHaiNの導入を検討し始めたのは、2020年。実は当初、アルバイト採用での利用を想定していた。
「人事役員が、外食チェーンのアルバイト採用にAI面接を活用しているという情報を得て、興味を持ったことがきっかけです。当社は現場勤務のスタッフを年間200名程度採用していますので、そこで利用できないかを検討しました。応募者との日程調整が難しかったり、当日になって面接キャンセルがあったりと、現場での負担軽減に期待したのです」。
資料請求の後、SHaiNの仕組み理解やトライアル受検検討などを進めるうちに、新卒採用でこそ活用できるのではないか、との方向転換がされていった。
「近年、物流業界は急激な需要増加や人手不足に伴い、AIやIoT、ドローンといった最先端技術の活用を進めています。当社も新しいツールを積極的に採り入れる社風のため、導入までの道のりもスムーズでした。どのような使い方が効果的であるか、といった検討を重ねていくなかで、新卒採用での活用がベストだろうという結論に至りました」と松川さん。

現在はオンラインでの会社説明会を経て、書類選考後の初期フェーズにてSHaiNを使用している。「最初に面接評価レポートを見た時は、候補者の発言が一言一句全て文字化されているのにびっくりしました。対面ではここまで詳細な話を聞けないですし、文字として残すこともできない。工数を削減しながら多くの情報が得られると実感できました。その後の対人での最終面接前には一通り目を通しているのですが、事前に『総合評価』や『特徴と傾向』でその人となりを確認できるのも効率的です」。
対人面接の際には、面接評価レポートで気になった点や回答がなかったN/Aの資質について確認するのみで、AI面接と対人面接の役割分担を意識した運用をしている。
「AI面接でしっかりと本人のことを知ることができているので、対人面接では候補者が弊社を知るための逆質問に多くの時間を割けます。AI面接で得られた情報を交えながら、相手の気持ちに寄り添い十分なコミュニケーションを図ることができるので、内定後の関係構築にもつながっていると感じます」。

読み方説明やカスタマーサポートを使いこなす

AI面接は独自のメソッドに基づいて質問を行い、その評価が面接評価レポートとして納品されるが、レポートの読み取り方や使い方への戸惑いはなかったのだろうか。
「トライアルの終了後にそれぞれの資質について解説を受けました。その後も評点の意味についてだけでなく、どのように使っていくとより効果的であるかなど、折に触れてサポートしていただけたので、困ることはなかったですね」と松川さん。求める人材像の分析やそれに基づいた基準の設定も検討したが、自社の特性や候補者の動向などを踏まえて、現在は特定の資質にこだわらず幅広い人材を採用している。

実際に受検した候補者の反応はどうだったのだろう。「会社説明会では、物流業界はAI活用が盛んなことを話し、それを踏まえて採用選考でもAI面接を実施していると伝えています。そのためか、受検後の候補者の感想は『先進性のある会社なんですね』というポジティブな反応をいただいています」。

まだ導入2年目で導入前後における採用者の違いまではわからないものの、自社にマッチした人材が採用できているといった手ごたえはあるという。データが増えていくなかで、さらに面接評価レポートをどう活用していくか、採用後の活躍も踏まえて期待値は大きい。

人事は採用だけでは終わらない。適切な人材育成のためのツールとして活用

「ロジスティックスオペレーションサービスでは、入社後の一定期間、現場オペレーションに従事し基礎知識を学びます。作業的なことも多いため単調と感じるかもしれませんが、今後マネジメント業務を任せていくためにはまず現場を知っておく必要があり、その経験は非常に重要です。ただ、自ら行動できる人材ほど現場経験を積むこの期間に脱落しやすかったり、人間関係につまずいたりする可能性があります。そこで、入社後に一人ひとりの資質や性格に合わせた育成をしていくために、SHaiNが活用できないか?と考えているんです」と松川さん。今直面している課題や悩みを解決するのが良いのか、少し先のキャリアパスを提示すべきなのか、人によりアプローチの仕方を変える。同僚との相性、どんな上司のもとが大きく成長するのか等、その人が最も力を発揮できるような配属について、面接評価レポートの活用を考えていきたい、という。

「採用活動や就職活動は、企業と候補者がお互いを選ぶ場です。そのためにいろいろな条件がありますが、何が大切なのかは人それぞれです。私たちは社員を大切に思い、しっかりと見守っている事、その社員に合った育成や教育をしている事を伝え、それらを魅力と感じて頂ける方に納得して入社していただきたい。今後もSHaiNを活用し、自社で活躍する人材を育成していきたいと思います」と語られた松川さんの言葉には、実直に人事業務に従事する姿勢がうかがえた。

2021年11月1日時点

スタンダードプラン

株式会社ホリプロ

人材を重視するエンタメ企業と人の資質を研究してきた会社の出会い

創業以来60年余り、大衆とともに歩む「文化をプロモートする人間産業」を社是に、エンターテインメントのあらゆる領域において、ナンバーワン&オンリーワンのコンテンツを作ってきた株式会社ホリプロ。時代のシンボルとなるスターの発掘、育成はもとより、タレントだけではなくスポーツ選手や文化人など、多岐にわたる分野の人材のマネジメント、映像や演劇の制作などさまざまな事業を展開してきた。
22年卒業予定の採用選考で、AI面接サービスSHaiNを取り入れた。その経緯を、経営企画本部人事部の和田瑞希さんに聞いた。

公平、公正で客観的な評価をしたい

採用選考にShaiNを使うことになったきっかけは、堀社長からの「AI面接を取り入れたらどうか」という提案だった。もともと新しい技術、より良い人材の採用方法などに関心を持っていた社長からの声掛けに、和田さんはAIを使った採用面接ツールを調べ、SHaiNに行きついた。「タレントアンドアセスメントさんは以前から採用のコンサルティングを行っていた会社であり、人の資質を研究し続けてきた会社が開発したサービスとのことで、興味を持ちました」。

ホリプロは有名企業なだけに、毎年数多くの学生がエントリーしてくる。そのため、他社と比較しても選考は複数回重ねることが必須となるが、そこで課題となっていたのはどんな点だろうか。「初見で人を判断・評価するというのは、誰にとっても本当に難しいことです。そのため、どうしても面接官の経験則や価値観に寄ってしまうところもある。面接官によって関心を持つ点も違うでしょうし、深掘りするポイントも変わってくるかもしれない。面接官全体に研修をしたとしても、人が行うからこそ起きるハロー効果や論理的錯誤などの心理的錯覚は拭いきれず、時間的制約もあってハードルが高い。どこかのフェーズで、きちんとした客観点な評価を得られる機会が欲しいと思っていました」。
客観的な評価を人間が行う難しさというのは、どの企業も抱える課題と言っていいだろう。「SHaiNが優れていたのは、客観的評価をする1つの手法である構造化面接をAIが学習しているというところです。なので、学生がどのように答えても、たとえ話下手でも、最後まで公正・公平に話しを聞いて、きちんと資質を評価する。すごく頼もしく感じましたね」。

さらに導入時の説明も納得を得られるものだったという。「SHaiNでは測れない資質もある、ということもはっきり伝えていただき、信頼感が増しました。『社風や企業文化に合うかどうか、人の熱意や志望度合いは人が判断してください。』『決断力や判断力は面接で判断できる項目ではないため、ShaiNでも測れません』といった話は、選考のどのフェーズで何を確認するのか、といった選考フローそのものの視点を見直す機会にもなりました」。

人とAIの評価にギャップはあるか?付加価値は何か?

本格的に導入する前のトライアルでは、入社したばかりの社員に協力を得た。確認したかったのは2点。AI面接と自分たちの面接での見立てにギャップはあるのか?と、AI面接を使用する付加価値があるかどうか?である。

ギャップに関しては問題がなかった。「自分たちが行ってきた評価も間違っていなかった、と確証を得られた感じです。客観的な評価も得ることができ、この評価で良いんだ、という自信をもって次へ進んでいけました」。付加価値の部分に関しても、これまでの面接では知ることができなかった部分が見て取れるようになったと言う。「もともと、一人ひとりに時間をかけしっかり話を聞く時間を設けて、公平な評価をしたいという思いがありました。けれど、時間は限られている。ShaiNによって、1時間あまりにわたり候補者がしっかり話してくれた内容がデータとして得られたのは大きかったですね」。
結果、SHaiNを活用するイメージができ、導入に踏み切った。

変革期の今、必要な人材とは

「今、世の中は変革期です。こういった時代だからこそ自社に必要な人材はどんな人なのか。今年は特に、その点も課題として持っていました」。ShaiNの導入に際して、ホリプロが求める人物像を改めて洗い出してみたという。「タレントマネジメントや制作などの仕事で必要とされるいくつかの要素をお伝えしたところ、タレントアンドアセスメントからは『そこはShaiNのこの資質で確認することが可能』といったアドバイスをいただきました。選考では、ShaiNの評価をもとに見極めるべき資質を見逃さないよう、次の面接で深掘りしたい箇所を確認していきました」。

今年、新たに取り入れたShaiN。和田さんには、大きな収穫と感じてもらえたようだ。「例えば、バイタリティ7という同じ評価でも、それぞれに色々な要素や個性があって、みな同じではない。それらを細かく見ているところがすごいですよね。今後は入社後の配属や育成にも使えるといいですね、と人事部長とも話しています。とても奥が深いサービスなので、今年は初めてでまだ活用しきれなかった部分もあるかと思います。理解を深めて使いこなせるようになっていきたいですね」。
時代の先端を走りながらも「人を育て、マネジメントする企業」として、可能な限り丁寧で公平な採用プロセスを実現したい——まさに一人ひとりの人となりを重視している企業姿勢と強い思いが感じられた。

 

2021年10月10日時点

ライトプラン

株式会社サンケイエンジニアリング

候補者との縁を大切に、採用活動を真摯に取り組む

安心・安全を支える仕事により日本のものづくりを品質から支える、世界でも数少ない電気測定の専門メーカー、株式会社サンケイエンジニアリング。コンタクトプローブの製造・販売に加え、“電気測定の119番”としてメーカー向けに治具・検査装置の設計・製造販売、受託測定など、技術コンサルティングにも力を入れている。
経営企画室 採用・広報チーム長の箱崎修一さんに、会社としての採用姿勢とともに、導入2年目となる対話型AI面接サービスSHaiNについて、お話を伺った。

選考の客観性、エビデンスが残るツールとしてSHaiNを導入

「対話型AI面接サービスSHaiNとの出会いは2020年。『選考評価に客観性を持たせたい』『エビデンスが残るツールは無いだろうか?』と思い適性検査などを検討しているとき、偶然「戦略採用」の本を手にしてAI面接の存在を知りました。課題となっていた部分の解決はもちろん、適性検査では見えてこない話し方や表情なども動画で確認できる点にも魅力を感じ、導入へと至りました」と箱崎さん。

「我が社では“バカ者採用”というあえて尖ったコピーを使っています。バカになれるほど真摯に仕事に向き合う人を採用したい。そういった志がサンケイエンジニアリング、ひいては未来の“ものづくり企業”を支える根幹になる、というメッセージでもあります。『常識に囚われず新しいものを作っていくことに楽しさを見出す』『夢中になって最後までやり抜く』『視野広く、多視点で周囲を巻き込んでいく』『明るく元気にへこたれずにゴールを目指す』といったことを求める人材像に掲げ、入社時からしっかりと共感・理解いただくことが重要だと考えています」。

サンケイエンジニアリングが導入しているのは、SHaiNのライトプラン。短時間で受検できるため候補者側の負担が少ないという理由だけでなく、選考フローのどこで何をどうやって見極めるかが明確になっているため、AI面接の資質項目が絞り込みやすかったことも後押しし、ライトプランを使用している。

真摯に向き合う採用活動で大切なのは、一人ひとりに向き合うこと

サンケイエンジニアリングでは就職ナビサイトを使わず、ダイレクトリクルーティングなどを活用し、新卒だけでなく第二新卒や未経験者の中途採用も行っている。時期が決まっていない就職活動者に対し、年間を通して一人ひとりに対し丁寧に接しているという印象だ。

大きな母集団を作らない中で、求める人材をどのように見極めているかを伺った。
「当社が求めているのは、すべてが平均値の人ではありません。突出した高い資質を持つ一方で、低い資質もある。これがSHaiNを利用することで、客観的なエビデンスとして可視化することができました。結果、色々な特徴の人材を採用できるようになり、それぞれが苦手な部分を他のメンバーと補い合い会社全体が強くなる、面白くなると考えているんですよ。一種の多様性ですよね。その点を意識しているからこそ単純に母集団を増やせば良い、とは考えていません」と箱崎さん。自社が求める人材にピンポイントでアプローチし、しっかりとグリップしていくことが重要だ、と考えているという。

「コロナの影響も多少ありますが、現在の採用はすべて個別対応し、一人ひとりにきちんと向き合った活動をしています。採用活動は“選別する場”ではなく、“会社と候補者がマッチングする場”だと思うんです。例えば、選考の過程で『希望している職種よりも別の職種が向いているのでは?』『自社よりも他業界の方が活躍できるのではないか?』と感じる候補者であれば、選考のタイミングを問わず、例え不合格となった場合でも、都度、その理由をきちんと候補者に伝えています。これは以前から『たとえ今回不合格となったとしても、自社に興味関心を寄せてくれた縁を大切にしよう』という考えから行っていることです」。選考フェーズによっては、代表自らが直接候補者にフィードバックするという。
そういった姿勢が伝わった結果なのか、不合格となった候補者から「他の企業で内定が出た。ありがとうございました」といった嬉しい報告が入ることもあるという。不合格の際にはサイレント、お祈りメールのみ、という企業が多い中で、候補者の立場にも立って互いにハッピーとなれるよう、真摯に採用活動に向き合っている企業だからこその熱意を感じる。

納得の結果から、より未来を見据えた活用方法を模索

実際に、面接対応者の評価とAI面接での評点には差異があったのだろうか。
「これまで私たちが行ってきた人の見立てとSHaiNの面接評価レポートとの差異は少なく、納得できるものでした。いわゆる面接受けの良い候補者ではなく、口下手だけどじっくり話を聞けばきちんとした考えを持ち自分の言葉で話すことができる候補者をしっかりと見極められた、という点においてもA I面接を導入してよかったと思います。自分たちが見逃してしまっていたより良い人材を採用することができる可能性が広がったのでは、と考えています」。

AI面接の結果に納得していると語る箱崎さん。他にも定量的なアウトプット、客観的視点で採用可否の根拠を示すことができることはメリットとして大きいと言う。
「今後は社内資料として蓄積し、選考中だけでなく初期配属や育成の資料としても役立てていきたいですね。活用の道をさらに広げていきます」。

サンケイエンジニアリング代表の笠原氏は、よく「採用活動は経営そのもの」と語っているようだ。
一人ひとりとしっかり向き合う
不採用でもその理由をきちんと伝える————
まさに、企業の想いや姿勢が採用活動の根幹をつくり、SHaiNもその一助を担っている、という事例であった。

 

2021年4月8日時点

スタンダードプラン

株式会社松屋フーズホールディングス

採用活動だけではない。昇格試験の課題も解決したSHaiNの価値

1966年に開店した一軒の中華飯店から始まり、現在では北海道から沖縄まで国内1193店舗、海外16店舗を展開している株式会社松屋フーズホールディングス。セルフサービス店舗や、1つの店で2つ以上のブランドが楽しめる複合型店舗の展開、QRコード決済の導入など、業界に先駆けた取り組みを次々に展開している。
2020年秋、松屋フーズホールディングスでは、松屋の店長昇格試験にSHaiNを導入した。コロナ禍で対面型の試験実施が難しくなっている中、導入を決めた経緯などを人事部人事グループのチーフマネジャー市川公威さん、日野真さんに伺った。

各所で行われる面接の評価、全体の統一感が得にくいという課題

松屋フーズの店長昇格試験は年2回、筆記試験と面接が行われる。例年、会場となる東京と大阪の2拠点に、30〜40名の店長候補者と、面接官となる各部門の本部長や系列カンパニーの社長らを集め1日がかりで実施していた。中でも面接は、毎回数部屋の面接会場を準備し、順次分刻みで面接を行っていく。「関係者を1日拘束することも大変なのですが、一番の課題となっていたのは評価の部分です。どうしても評価基準が異なってしまい、全体的な納得感や統一感が得にくいという点でした」と市川さん。

そのような中で起こった新型コロナウイルスの感染拡大。2020年6月の試験は試行錯誤の上、東京・大阪拠点に近い候補者は従来通りに会場での試験、遠方の候補者にはリモート試験という形にした。「これまで紙ベースだった筆記試験をeラーニングに変更し、遠方候補者のみ面接をオンラインで行いました。当初は不安もありましたが、実施後は全てリモート化もできそうだな、と感じました」と市川さん。ただ、面接の課題は残ったままだった。「オンラインに切り替えただけなので、評価のバラツキという点は解消しきれていませんでした。また各々が初めてのオンライン面接ということもあり、双方不慣れなことに加え接続に手間取ったり、結局接続ができず仕方なく電話で行った例もあったんです。昇格見送りとなった人は、自分の思いを伝えきれなかった、という気持ちが残ったかもしれません」。

店長に必要な資質を定義。昇格可否の理由も明確に

そんな際にSHaiNを紹介された。「最初に話を聞いた時は“本当に使えるものなのかな?”“どこまで信頼できるのかな?”と、正直に言うと半信半疑でした(笑)。そこでトライアルをしてみて判断しようと。結果、受検した3名の面接評価レポートを見たところ、よく言い当てていましたね」。上長も「導入を進めていいんじゃないか」と背中を押してくれた。動画で話している様子が確認できること、話した内容はすべて文字起こしされ記録として残ること、面接官の面接技術による偏りや曖昧さがない、などを説明し、専務の決済も取れた。

2020年12月の試験では、eラーニングとSHaiNを活用した。面接へ進む候補者には、AI面接では入社後のことを話すことを前提に、受検の期限を記載した簡潔なメールを送付した。「松屋フーズの店長へ求める人材像には『上位方針をきちんと理解し、それを店舗メンバーに説明して参画させ、業績を上げることで会社に貢献できる人』『お客様にも従業員にも誠実に向き合える人』などがあります。これに沿って、どのような資質を持っている人が適任かを仮定し、面接終了後にもタレントアンドアセスメントのサポートを受けながら、基準を決めていきました」と選考の経緯を日野さんが語る。
最終的な昇進可否を決める評価委員会では、面接評価レポートを元に取りまとめた資料から「時代もここまで来たんだね」と好意的に受け止められたという。

SHaiNの導入で、何が変わったのか。「これまでは評価を裏付ける明確な理由が見えづらかった。それが同じ基準で評価が可視化できるようになったことが画期的でした」と市川さん。加えて、人事部の負担軽減も大きかった。「以前の試験様式では、候補者や面接官のスケジュール調整や場所の確保といった段取りがとても大変でした。さらに当日も、人事が試験をサポートしながら、終了後には、各面接官の手書きのメモを文字に起こしていた。こうしたものが必要なくなったわけですから、業務効率は非常に上がりました。移動費などの経費においても、少しプラスです」と日野さんもうなずく。

企業の原動力は人。SHaiNを一人ひとりの成長に活かしていく

SHaiNを使った面接に課題がないわけではない。意欲や熱意といった想いの部分、配置の状況伺いやキャリアプランなど将来のことを引き出していくのは難しい。また、面接時間についても「できれば30分くらいで終われるといいですね」といったリクエストも。

とはいえSHaiNには、面接評価のバラツキがない、面接エビデンスがしっかり残る、フィードバックも的確にできる、人事の業務効率も向上する、といった多くのメリットがあり、来期からも使っていく予定だという。「SHaiNの利用回数を重ねることで面接評価レポートを読み取る力を上げ、より候補者への理解を深めたい」という期待もある。「今回は店長昇格試験に活用しましたが、今後は別の職位への導入に広げていくかもしれません」とのこと。

松屋フーズホールディングスが掲げる企業価値向上の原動力は「人」。自社で働く人材と中長期的な視野に立つ人事制度により、一人ひとりが店舗で何を学び・経験していくのか——昇格試験にSHaiNを活用することでその成長を見届けていくとともに、さらなる「お客様に喜ばれる店づくり」を目指す。

2021年2月20日時点