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株式会社田子重

経営理念「従業員の幸せ」実現にSHaiNも一役

静岡県中部を中心に12の店舗展開を行っている株式会社田子重は50年近い歴史があり、スーパーマーケットとして地域社会の食を支えている。経営理念で「従業員の幸せ」を謳い福利厚生や教育制度に力を入れている田子重では、どのように対話型AI面接サービスSHaiNを活用しているのだろうか。人事担当の小長井和生さんにお聞きした。

応募者増の鍵となるか?SHaiN活用への大きな期待

田子重がSHaiN導入を決めるきっかけとなったのは2019年2月、同業種の企業が導入を発表したニュース。遠隔地からの受検が増えることでより多くの人材を獲得できるのではないか、また人の感や感覚ではない評価基準で公正な選考ができるのではないか、という期待があったという。同年6月には正社員採用とアルバイト採用にSHaiNを導入した。
「実施して間もないこともあり、まだ明確な結果が出るまでには至っていないんです。正社員採用とアルバイト採用の両方のプランを利用して感じたことは『まだ受検者がAIに対して意識するハードルは高いのかな?』ということです。当初期待していたほど応募者数の増加までは残念ながら至りませんでした」。

しかし、SHaiNには大きな魅力を感じている。期待されていた評価に対しては、十分満足できる結果だった。「テスト受検した社員の評価レポートは、私どもが把握している本人の評価とほぼ合っていました。評価レポートはそれが言語化されているので、記録としても資料としても使いやすい。納得できる価値があると実感しています。AI面接の場合、じっくり時間をかけて面接が行われるので、最後まできちんと取り組めているかどうかがわかるのもいいですね。新卒採用ではフローにも組み込み、今後は積極的に活用していきます」。

田子重では新卒採用の場合、会社説明会の後にSHaiNの受検をしてもらい、公正な基準で候補者を絞り込んだ後に一次試験へ進んでもらう。その次の二次試験は人による面接が行われるが、SHaiNの評価レポートはここで資料として活用する。「この新フローによって、求める人材をより効率的に採用したい」と小長井さんは語る。

地方企業や、外国人採用時の負担軽減が可能に

田子重は地域に根付いた地方企業だが、外国人採用にも積極的であることから、遠隔地での受検への期待も大きかった。そこで、まずはアルバイト用のSHaiNを使い、日本での勤務を希望している台湾在住の候補者に受検してもらった。
「まだ受検者が少数なので検討課題は多いのですが、新しい方法としての手ごたえを感じました。時代とともに採用も進化していく必要があると、改めて実感しています」。

今後新卒採用でも、東京や大阪からのUターンやIターン就職をしたい就活生にも積極的にアプローチすることで、応募者数の増加、より優秀な人材採用が可能になると大きな期待を寄せている。

働き続けられる企業だからこそ、よりよい人材を確保したい

スーパーマーケットという業種は多くの女性が活躍している。田子重では、福利厚生に非常に力を入れており、働きやすさにも定評がある。 
「働きながら仕事をする際にネックとなるのが、お子さんの預け先です。田子重では2ヵ所の事業所内保育所があります。これは委託ではなく、総務の中にある保育所グループが運営しており、保育士も社員です。認可保育所と同等のグランドや給食設備を用意しているので、安心してお子さんを預けながら仕事で能力を発揮してもらえます。合わせて、学童保育も行っているので子育てしながら働く環境を整えており、子育てが理由で退職する女性社員はいないんです」。

この手厚さに魅力を感じる人は多く、パートの確保にも一役買っている。「長く働き続けたい女性が増えていることから、大学生も関心を寄せてくれます。女性に限らず、生活に大きな変化があっても仕事を続けていけることは、経営理念の『従業員の幸せ』につながるものです」。

また田子重では新人研修に6ヵ月間、その後も随時、各部門での研修やコンテストの参加を推奨するなど教育体制が非常に充実しており、切磋琢磨しながら働き続けることができる。よい環境を整えたのは、長く良い仕事をしてもらいたいからこそ。そのためには会社が求める人材をより的確に採用する必要があるという。「将来的には面接評価レポートを配属の参考などにも使って、従業員が適材適所で力を発揮するための一助にできるといいですね」。

よりよい職場を実現するツールとしてSHaiNへの期待は高まっている。

2019年12月23日時点

スタンダードプラン

株式会社フジEAPセンター

EAP(従業員支援プログラム)とSHaiNとのシナジーに期待

株式会社フジEAPセンターは静岡県に拠点を置き、東海4県のエリアにある企業や団体向けに事業展開している。社名にもなっている「従業員支援プログラム=EAP(Employee Assistance Program)」を軸として、EAPカウンセリングの提供をはじめ、人事関連のコンサルティングや研修・サポートまでを提供し、いまやEAPは“地方都市の人事部には必須のもの”とまでの認知度がある。代表取締役である坂部善久さんが思い描く、対話型AI面接サービスSHaiNの可能性についてお聞きした。

「すごいことが始まった!」人事に精通しているからこそ感じたAI面接の第一印象は

フジEAPセンターは、2019年3月に浜松市で開催された「浜松市SHaiN導入合同説明会」の参加を機に導入を決定した。もともとHRテックの進化に対する関心は高く、自社でも既にテレビ電話を活用した面接を取り入れていたことから、静岡新聞で説明会の開催記事を目にし、すぐに申し込みをしたという。
「すごいことが始まった、という印象でしたね。お客様と話をすると『人事担当者がとても疲れている』と感じるんです。特に3月あたりから採用活動のほかに、内定者研修や入社式などのイベントも多い。業務の負担を少しでも減らしてあげたいと思っていた。AI面接は、これらを解決する一助になるものだと感じました」と坂部さん。

さっそく30代の営業担当社員が受検をしてみた。「体験者からは『自分の設定を新卒として受検したので、学生時代の記憶が薄れてすぐに思い出せず話しづらかった』といった感想でしたが、反応は良好でした」とのことで、有益なツールとして認識されたようだ。課題を挙げるとするならば?の問いかけには、「受検に適した静かな場所を確保できないとやりづらいと思うので、落ち着いて話ができる場所の設定が必要かもしれない」との貴重なコメントもいただいた。

地方企業が抱えてる機会損失をフォローし、人事担当者の負担を軽減。高品質な採用へ

EAP事業の先駆者のひとりである坂部さんが、あえて地元である静岡県を活動の舞台に選んだのは、地域密着型の丁寧なサービス提供にこだわっているからだという。しかし、地方の採用状況は年々厳しくなっている。
「もともと静岡県はUターン就職が多かったのですが、現在その数は減少しており人手不足に陥っています。これは地元経済にも関わってくる大きな問題だと感じています。AI面接を利用することで、距離による応募者の負担を減らすことができれば、よりよい採用が実現できると感じています」。

一例をあげると、フジEAPセンターではいち早くテレビ電話を使っての面接を取り入れており、東京からのIターン就職を検討している方がいる。ご家族の関係で静岡での勤務を希望しており、従来の採用方法では在職中に複数回の来社が難しく機会損失の可能性が大きかったケースだ。
「AI面接はテレビ電話を使った面接と同じく、距離的な機会損失がなく時間的な制約も少ない。加えて忖度なくエピソードからの学びや考え方を深掘りするので、人の面接よりも圧倒的に情報の量が多い。アセスメントという観点でとても優れていますね」。

現在、フジEAPセンターでは新卒採用はなく中途採用のみとなっているが、次回採用時からこれまでの選考フローにSHaiNを加えると言う。
「当社は時間をかけてでも、しっかり面接は行いたい。今のテレビ電話で最初に面談をして当社への理解と入社への動機付けのためのコミュニケーションを図る。その後のAI面接で本人の資質を見極めたうえでじっくりと踏み込んだ面接ができればミスマッチを事前に防げると考えています」。

地方都市のビジネスパーソンを支えるEAP事業とAI面接のシナジー展開へ

SHaiNは、実はフジEAPセンターの事業自体にも関連性がある。

「私どもは採用時の面接官トレーニングなども手がけているのですが、実際は、面接の進行に気を取られて表面的な質問しかできなかったり、異動により面接官が変わったりと、トレーニング時のように的確な面接ができていないことを感じていました」と、坂部さん。研修などに携わると、求める人材像とは違う人材が入社していることがあるという。以前から、採用の段階でその企業に必要な人材を見極める仕組みが必要だと感じていたようだ。
「弊社のサービス展開とともに、お客様へAI面接のご紹介しているのですが、担当者によって反応がまちまちです。受検者側はAIに質問されることに抵抗がある人もいれば、本音で話せるから良いという人もいる。実際にテレビ電話など対面ではない方が話しやすいという人がいるのは確かで、今や『全て人が行う対面が良いという時代ではない』と思いますね」。

さらには今後のビジネス展開への期待も大きい。「私どもが行っている事業にピットインプログラムがあるのですが、人の面接では聞きづらいことや踏み込みづらい質問にはAIが向いていると思います。着飾った姿ではなく本音の姿を聞き取りやすいので、きちんと見極められそうですね。またSHaiNの面接評価レポートは精度が高く、採用時の評価と入社後のフォロー面談でのデータを比較することで、傾向なども見えそうですよね」。

SHaiNの新たな活用の場が、EAPを軸にしたピットイン・プログラムの展開とともにさらに進化するかもしれない。

※ピットインプログラム®:仕事や生活を送る中で、時には自分の健康や将来、仕事の進め方や周囲との人間関係等をじっくり考える機会を作ることにより、メンタルヘルスなどの1次予防や生産性向上を図っていくためのプログラム。フジEAPセンターの登録商標。

2019年12月19日時点

スタンダードプラン

一般社団法人 日の出医療福祉グループ

選考だけではない、縁結びツールとしてのSHaiN活用

医療・介護・保育を軸に包括的な事業を展開する一般社団法人日の出医療福祉グループは、25年以上の歴史をもつ3法人の協業を目指し2016年に創立された。兵庫・埼玉・東京・神奈川エリアを中心に、クリニックや介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、デイサービス、保育園等、138もの事業所を展開している。対話型AI面接サービスSHaiNに新たな活用をスタートするという人事教育部部門長の西敏行さんにお聞きした。

人材不足に悩む福祉業界におけるAI面接への期待と活用の難しさ

日の出医療福祉グループがSHaiNの導入を決めたのは2018年6月。日本経済新聞の「AI面接開始」の記事がきっかけだった。日の出医療福祉グループでは、理事長の指揮のもと、施設入居者の状態を読み取る見守りセンサーや経理業務ロボット、介護記録のデジタル化など、積極的に先進技術を取り入れることで業務の効率化や従業員の負担減を図っている。

SHaiNもこれらの取り組みの一環としてすぐに導入が決定した。しかしそれからの1年半の間、活用してきたとは言い難い状況にあった。
「福祉業界は慢性的な人材不足に悩んでいます。新卒採用では就職セミナーなどにブースを出展しても、なかなか集まってもらえない状況でした。関心を持ってくれた学生に対しては担当者二人がそれぞれにマンツーマンで対応して採用してきたのですが、この方法では集められる人数に限界があります。AI面接にじっくり取り組んでもらうメリットは感じながらも、候補者数の少なさから選考フローへの取り込みはかないませんでした」。

話題性、達成感、平等な評価、確信したメリットを使いこなす

西さんはSHaiN導入時にプレスリリースを出したところ新聞で取り上げられ、それを見た学生からの問い合わせがあったことから、注目度の高さを再確認したという。また、テスト受検をした社員からの「とても大変だった」という感想にも手ごたえを感じた。
「AI面接にはインパクトがある。受検したという実感と達成感がある。そして文字化された貴重な手元資料ができる。何とか活用したいと思いました」。

西さんは金融業界からの転身組。人手不足の福祉業界をなんとか変えたい、という情熱をもって採用改革に取り組んだ。
「年収が低いと思われがちな福祉業界ですが、そんなことはないんです。確かに新卒で仕事を始めたばかりのときは体力的にも大変ですし、決して高給とは言えないかもしれません。しかし、きちんとキャリアを積むと20歳代後半で1つの事業所の運営を任せられるまでの成長ができます。これは課長職に相当するので、当然年収も上がります。さらに弊社では企業内起業を歓迎しており、プレゼンが通ればノーリスクでビジネスをスタートできる。実際に、現在の仕事に加えて新企業の代表取締役として更なる報酬を得ている社員もいます。私は日の出医療福祉グループを“福祉の総合商社”と考えており、業界に変革をもたらす企業集団であるという自信をもっています」。

やりがいのある仕事と納得のいく報酬を両立するのが、西さんの考える福祉業界のキャリアモデルだ。学生にこれを示すと、介護業界に対する不安が消え、意欲を持って就職してくれるという。

福祉業界に革命。SHaiNを活かして採用が変わる

福祉のイメージを一新し、昨年からは新卒採用チームを立ち上げ、よりよい人材を確保するための1泊2日のインターンシップを開始。同時に、就職セミナーのブースデザインもイメージを統一した。
「脱・自己分析」という、衝撃的なネーミングもさることながら、かわいい白熊の着ぐるみを脱ぎ捨てる獰猛な熊のビジュアルは注目を集め、ブースの着座数が一気に50位から1位になった。

「インターンシップではまず『就職活動を大切にして欲しい』ということを伝えています。自分がどうあるべきかを答えられなければ、間違った就職活動になってしまう。そこを整理してから福祉業界も含めたさまざまな業界を見直してほしい。先入観を取り払うと、希望業界の選択肢に福祉業界も入るという学生は意外に多いんですよ。加えて、高齢者や子ども、地域など、特化した仕事がいかにやりがいがあって、未来へつながる仕事であるかということを理解してもらえます。高齢者ビジネスを変えることが日本を、そして世界を変えていくんだよ、ということをお伝えしています」。

西さんは、このインターンシップの中でSHaiNを活用するという。 「夏に初めて開催したインターンシップでは大きな手ごたえを感じました。これを実際の採用までつなげる動機づけのツールとしてAI面接を受検してもらっています。インターンシップの最後に自身の考えをまとめ言語化できるかどうか、まさにインターンシップの集大成と呼ぶにふさわしいレポートですね」。

インターンシップ参加者が選考に進んだ場合、このレポートは人の面接の際の手元資料として使用する予定だという。SHaiNの導入が応募者の拡大へとつながり、評価レポートが企業と応募者が理解し合う縁結びツールとなる日も近い。

2019年12月19日時点

スタンダードプラン

日清丸紅飼料株式会社

選択肢の広がりが、これまでにない新しい出会いを生む

北海道から鹿児島まで、全国に12カ所の生産拠点11カ所の営業拠点を展開し、年間290万トンの畜水産用配合飼料を提供する日清丸紅飼料株式会社。業界ではトップクラスを誇り、安全・安心な畜水産物の提供に貢献している。2018年の夏にトライアル、2019年の春からは学生が選択する形で対話型AI面接サービスSHaiNを導入した。総務人事広報部次長兼人事課長の加藤さんに導入の経緯、その効果などを伺った。

北海道から沖縄まで、学生は全国からSHaiNを受検

「AIといった最先端のものは、IT関係の企業さんが導入するもので、我々が使うのはもっと後のことだと思っていました。ところが、同じ業界でもAI面接を使い始めていることを知り、『それならば我々でも活用ができて、課題解決にも結び付くツールになるのでは』と考えました」と導入のきっかけを話す。

採用の課題は、農学部や水産学部などがある地方の国公立大学の学生に上手く接点を作ることができず、応募が首都圏の学生に偏りがちだったことだ。採用担当者は地方に何度も足を運ぶが、それでも学内や説明会で会える学生の数は限られている。加えて、そこで会った学生を一次面接で東京まで呼ぶのはさらにハードルが高い。「学費が上がっている中で奨学金を利用している学生も多く、就活にかけられるお金も減っています。従来のように『東京本社に来てください』というのは時代に即していないのではないか、AI面接のようなツールによって学生がエントリーしやすくなるのではないか、と思いました」。

導入にあたっては2018年夏採用の際、従来通りの一次面接に加えてSHaiNも受けてもらい、AIの評価がどの程度人の評価と合致するのか、を試した。「色々な項目に対して、細かく評価が出るんだな、という印象でした。人の評価との合致率は6、7割くらい。ただ、対面の印象が実際にその人物を正しく反映しているのかというと、それはわからないですね。AI面接は人の面接よりも長い時間の対話をするので、もしかしたら、人の面接よりも素の部分がでているのかもしれませんし」。
評価の合致率よりも遠方の学生に選考を受けてもらえるメリットの方が大きいと判断し、2019年春採用から一次面接は「人と対面」か「SHaiN」かを学生が選択できる形にした。「学生のうち、AI面接を選んだのは2割でした。最終的に内定を出した中でも同じく2割ですから、AI面接だから有利・不利ということもなかったですね。むしろ遠隔地からでもエントリーできるという選択肢が増えたことで、今まで応募がなかった大学からも受けてもらえた。北は北海道から南は沖縄まで、本当に全国からです。もちろん首都圏でも、対面の面接日程が合わないなどでAI面接を選択した学生もいました」。

学生の選考機会損失をいかに防ぐか。WEBでの会社説明会もスタートへ

企業側にとってのメリットも大きい。「今のスケジュールでは、人事担当者は採用試験と新入社員の研修の時期が重なり、3月〜5月は休みも取れない状況です。面接で必要なヒアリングと評価の2つの工程のうち前者をAIが人間の代わりにやってくれるということ。ある種、業務委託ですね。人事部の過密なスケジュール感を緩和してくれる要素は多いと感じています」。

2021年春採用も、一次面接の選択肢としてSHaiNを利用する予定だ。「これまでは、全国の学生にリーチしたいと思っていても、人的・時間的に限界がありました。そこで来春からは、普通の会社説明会に加えてWEBでの会社説明会も始める予定です。そうすると会社説明会から一次面接までを自宅で行うことが可能になります。直接会うことはもちろん大事ですが、まずは物理的に足を運べない学生の応募機会の損失をいかに防げるかが重要です」。今の学生はWEBに慣れているので心理的な垣根は低い。対面だけにこだわらず、選択肢を提供して、受けてもらう機会を増やしたいと言う。
「学生の『この会社に入りたい』という気持ちは、会社や社員のことを知っていく過程で膨らんでいくもの。だから、最初は学生の金銭的な部分や時間的な状況を思いやり、AIでもいいと考えています」。  

評価レポートの分析は、人事全体を考える参考に

最終面接までは、学生複数に対して会社側の面接官も複数という形式をとっているが、誰もが「自分個人をきちんと見てもらいたい」という思いを持っているため、二次面接や最終面接のあとには、加藤さんが1対1で話す時間を設けているという。「面接は学生側だけでなく、企業側のアピールの場でもあります。売り手市場の今は、会社がしっかりPRしないといけない。また学生も面接では聞きにくいことや個人的な事情など、具体的な話をしてきますから、そこに丁寧に向き合います。会社に親近感を持って、ここで働きたいと思ってもらいたいですからね」。
SHaiNの評価レポートは、採用の有無だけではなく、人事や仕事の仕方全体を見直す機会にもなるという。「どのような資質の高い人が母集団に多いのかが見えるということは、いろいろな面で参考になります」。数年経ってから、SHaiNの真価をさらに深く実感されるかもしれない。

2019年秋、SHaiNに企業が聞きたい事項を3つまで自由に聞くことができるフリー質問が追加導入された。「どんな職種に就きたいのか、その理由や志望度合いなどを本人の言葉で聞けるのはいいですね。思いの強さや温度感などもわかりますから、ぜひ活用したいです」。 学生側の選択肢が広がることで、これまでにない新たな出会いが生まれる。選考を選択できるという柔軟な形でのSHaiNの導入は、企業に新しい風を吹かせてくれそうだ。

2019年12月12日時点

スタンダードプラン

株式会社名鉄スマイルプラス

業務負担の軽減と評価基準の明確化で、より良い採用が可能に

働く子育て世帯のサポート事業を行う企業として2017年11月1日に名古屋で設立し、小規模保育と学童保育(アフタースクール)の2つの事業を柱に展開する株式会社名鉄スマイルプラス。子どもたちが安全に成長できる場を提供するだけでなく、学童保育事業では「英語」や「プログラミング」といったカリキュラムを提供し、時代が求めるサービスに力を入れている。採用に携わる小規模保育担当の牧野敦子さんとアフタースクール担当の伊藤曜さんに対話型AI面接サービスSHaiNのご利用状況について伺った。 

面接に関わる膨大な時間と文字化する労力の大幅削減が実現

名鉄スマイルプラスではセミナーを機に2019年3月よりSHaiNを導入している。新規オープンが続く中で人材確保は急務であり、採用担当者は小規模保育事業と学童保育事業の各1名で、現場の負担が非常に大きかった。
「これまで、評価結果を情報共有するにあたり、社内の評価基準の統一化に課題を感じていました。AI面接による評価を採用することで、この基準を明確にし可視化できる点を期待していました」と伊藤さん。
牧野さんはそのメリット以上にさまざまな効果が表れたと感じている。「例えば昨年の小規模保育の候補者は180名でしたが、全員の面接をしてその内容を記録に残すことはとても大変な作業でした。AI面接の場合、納品されるレポートには回答された内容がすべて文字起こしされているので、それぞれのエピソードをしっかり読み、人となりをより深く知ることができます」。

名鉄スマイルプラスではこれまで施設見学を兼ねた一次面接を行い、二次面接の後、合格者が役員面接へ進むというフローを採用していたが、SHaiNを採用したことで二次面接は廃止した。「来社していただく回数が2回に減り、受検者の負担を軽減することができました。また、AI面接での内容をもとに役員面接の質問を設定していますが、お一人おひとりに合わせた深い内容を聞くことができるようになりました。受検者も回答したことを理解したうえで質問されているという意識をもってくれており、非常に効果が上がっています」。

時間をかけた対話型AI面接サービスSHaiNで、候補者をより深く知ることが可能に

通常の面接で聞き取りをしたエピソードであっても、その後のSHaiN受検の際にはさらにじっくり時間をかけて深い内容まで語られているケースが多い。それぞれの受検者の人生を詳しく深く聞き取ることができるのはSHaiNのメリットのひとつだ。

「面接があまり得意でない方の場合、通常の面接ではうまく魅力を引き出せないことがあります。実際に、一次面接ではあまり良い評価が出ていなかった方がAI面接でしっかりと回答をしてくれ、採用につながったという例がありました。現場では主力となって仕事をしてくれており、AI面接だからこその採用成功例といえます」と伊藤さん。
牧野さんもSHaiNだからこそ引き出せる内容に手ごたえを感じている。「保育士志望の方は面接の経験が少ない方が多く、一歩引いて発言する控えめなタイプの方が多い傾向にあります。そのような方には周囲を気にせずゆっくり回答できるAI面接のほうが力を発揮していただけるようです」。

逆に通常の面接でとても良い印象を与えていた人物が、SHaiN受検時に全く違う態度を見せたという例もある。短時間の対人面接では読み取ることが不可能な一面だ。

数値化と評点バランスを読むことで採用基準もクリアで正確に

伊藤さん、牧野さんともに納品された受検者の評価レポートについて、7資質それぞれが表す特徴や、点数のバランスから読み取れる傾向などの説明を受けている。

「それぞれの資質が表す意味を理解し、評点だけでなく資質のバランスを読み取ることで、自信をもって判断することができます。また、入社後に活躍していただけるポジションをよりイメージしやすくなりました。もっと深く読み取れるようにして、より精度が高い判断ができるようにしたいですね」と伊藤さん。
牧野さんも期待を見せる。「AI面接のレポートは、合否を決定するということだけではなく、入社後どんな環境で力を発揮しやすいのか、どんな研修やフォローが効果的なのかまで知ることができます。これからも採用に使っていくことで、将来的には一人ひとりが最大限に活躍できるよう、ピープルアナリティクスにつなげていきたいですね」。 お二人とも採用の合否という時点で終わらない、配属や育成など将来へ向かって大きな可能性を感じている。

2019年11月19日時点

スタンダードプラン

医療法人光悠会 あざみ野ヒルズスキンクリニック

経営理念「人“財“は宝」。AI面接の評価レポートは採用の礎になっている

神奈川県横浜市にあるあざみ野ヒルズスキンクリニック(現、医療法人光悠会 HILLS GRACE CLINIC)。完全予約制で、カスタムメイドの美容医療を提供している。世界レベルで活躍する医師による最新の機器でのテーラーメイド治療には定評があり、国内外から通院する患者も多い。これを支えるのはスタッフの高いクオリティであり、ホスピタリティ。スタッフ採用のために対話型AI面接サービスSHaiNを活用しているというコンシェルジュマネージャーの戸井田綾さんに伺った。

 

SHaiNを活用し理念に沿った採用を実現

クリニックのスタッフがつくり出す雰囲気や対応によって、患者は不安がやわらぎ、治療に前向きになることができる。人と人との関係を大切に考えるあざみ野ヒルズスキンクリニックでは、開院時からスタッフの採用は重要なものと捉えてきた。
「開院当初からの経営理念が『人“財“は宝』です。一緒に働く大切な仲間を選ぶわけですから、採用にあたっては、従来から慎重に、かつ丁寧に行ってきました。その手助けとして導入したAI面接によって、より経営理念に沿った採用が実現しました」と戸井田さん。

美容皮膚科の世界は常に進歩しており、クリニックでは日々、院長・副院長の研究により最先端の技術を見極め、導入する判断が日常的に行われている。スタッフ間においても、いいものは吟味して積極的に取り入れるという方針が浸透しているため、SHaiNの導入に対する抵抗感はなかったという。
「導入するにあたり、私自身も含めスタッフ全員がAI面接を体験しました。やはり初めてのことですから『緊張した』という感想は多かったですね。私も同じでした。中には『画面が相手で反応がわからないので不安』とか、『結果が心配』という声もありましたが、マイナスの意見はありませんでした」。

評価レポートの内容をもとに、面接が濃く実りあるものに

現在の採用フローに加えて、対人面接の前にSHaiNを組み入れた。「AI面接は合否を出すのではなく、対人面接の際に活用できる情報を得るために使っています。従来は事前に送付いただいた履歴書をもとに面接を行っていたのですが、評価レポートというもう一つの面接材料が加わったことで、より的確な質問ができ対人面接が濃く実りあるものになりました。私どもは人間性、人間力を資質として重要視し大切に考えていますので、なかなか対人面接では聞き出せなかったエピソードがテキスト化(文字化)されることで、人となりを見ることができるというのは素晴らしいことだと思っています」。
あらかじめ履歴書だけではわからない資質をある程度理解したうえで対人面接に臨んでみるとSHaiNの評価は適切で、実際に話してみて「やっぱり」とうなずくことも多いという。採用フローとしてはステップが一つ増えたことになるが、対人面接がスムーズで成果も上がっており、担当者の仕事は効率化されむしろ時短につながっている。

人材獲得に終わらず、人に寄り添い魅力を引き出す対応ができる

「AI面接を導入してみて、優秀な人材が獲得できているという手ごたえを感じています。そればかりではなく、主観が入らない評価があることはマッチングにも非常に有効です。当院が求めている人材というだけではなく、どのシーンで、どんなポジションで、誰とのペアで活躍してもらえるか、より資質を生かしてもらえる適材適所への配置の参考にしています。実際のスタッフの人柄や仕事への姿勢とレポート内容がぴったり合っていて、ここまで的確なのかと感動しています」。
さらに人間関係やマネジメントの一助にもなっているという。「同じ言葉でも人によって受け取り方は様々で、まっすぐ受け止めてもらえるためには、それぞれ伝え方があります。人間力を理解して一人ひとりに合った伝え方やサポートをすることで、指示や指導が的確になるばかりか、その人の魅力や能力を引き出すことができます」。

今後は、レポートをさらに活用していくために、評価レポートを読み解く力をさらに高めたいと戸井田さんは意欲的だ。「AI面接はこれからますます普及するものだと思います。そして使い方もさまざま。多様性がより広がるのではないでしょうか。その進化が今から楽しみですし、今後もすばらしい人“財”との出会いに活用していきます」。

2019年11月15日時点

ライトプラン

株式会社ニューズベース

人間の面接とSHaiNの評価、検証結果は9割近く合致

企業が開催するセミナーやカンファレンス、周年イベント、採用イベントなどの企画、制作から運営、事務局などを手掛ける株式会社ニューズベース。2020年卒採用から対話型AI面接サービスSHaiNを導入した。新たな取り組みに積極的な同社だけに、経営陣の反応も前向きで、すぐに試験導入を決めたという。執行役員人事担当の佐藤春幸さんにお話を伺った。

マネージャーたちの負担減と、基準の平準化が導入の背景に

AIを面接のツールに導入したいと思った背景には、新卒採用の一次面接で感じていた問題があるという。
「春、夏に2日間ずつ行う説明会の際に一次面接も実施していたのですが、面接を担当するマネージャーたちの負担がとても大きかったんですね。彼らは面接官として限られた時間で多くの人を評価するということには慣れていません。1日中缶詰めになって学生たちと面接し、昼食を食べる暇もなく申し送り事項を作成する。さらに評価の基準を合わせるのも難しく、誰かひとりは通しで全ての面接に立ち会う必要もあります」。その間、マネージャーとしての仕事が全くできなくなってしまうことも現場としては痛手だった。
「これを解決するために、AI面接を使ってみようと思いました。面接官のスキルアップや基準作りをするより、ずっと早いですからね」。

採用に使えるAIをWEBで検索し、2社を選んで話を聞いたという。もう1社はコストの面で合わず、SHaiNに決定した。「すでに大手企業さんが使っているということも、信頼性という意味で魅力的でした。それにSHaiNはまだスタートしたばかりのツール。タレントアンドアセスメントの営業の方がとても情熱的でAI面接の世界観が伝わってきました。これが採用市場に広がっていくことにご一緒できるなら面白いな、と思ったんです」。
まずは佐藤さん自身がSHaiNを受検してみた。「思った以上に緊張するものなんだな、と感じました。一度、AIに『もっと詳しく』と突っ込みを受けたんですよ。それが後でみんなに話す時のネタになりました(笑)」。

体験により操作性も確認できたことから、役員会で「春の採用時に試験的に導入します」と宣言したところ、経営陣の反応は予想通り好感触だった。「新しいツール、新しい採用のあり方への好奇心が強い人たちばかりですからね」。

人間の一次面接はSHaiNに置き換えても問題ない、と確認

ただ、人間による一次面接の代わりとしてSHaiNを本格導入するためには、検証が必要だった。本当に人間の面接の代わりになり得るのか。そのために、2019年5月に開催した説明会では、これまでの一次面接、適性検査にプラスしてSHaiNも受検してもらい、人間が行う一次面接とどれだけ差がでるかを出してみたのだという。SHaiNの評価基準の一定以上を一次通過と設定し、人間が面接したときに一次通過と判断した学生のうちSHaiNだと何割が残るか、また人間が一次で不合格としたとき、SHaiNの評価ではどうか、という検証だ。「9割近くが合致しました。適性検査と絡めれば、人間による一次面接はしなくても問題ない、ということが確認できたんです」。

そこで夏の説明会では一次面接をなくしてSHaiNを本格的に導入し、さらに座談会を設けた。
「人間の一次面接をAI面接に置き換えると、どうしても学生が社員と接する時間が短くなり、『この会社に入りたい』と思う動機付けが弱くなってしまう。そこで、採点などは一切せずに徹底して現場の話を聞いてもらうため、学生に年齢の近い先輩社員を数人ごとのグループに2人ずつ配置した座談会を行いました」。臨場感のある現場社員の話を直接聞くことで、学生にとっては仕事の内容をイメージしやすくなる。
「動機付けとしても、一次面接より効果的だったのではないかと思います」と佐藤さん。自身が探し出した新しいツールでマネージャーの負担を減らすと同時に学生への動機づけも担保できたことに、人事担当として満足しているようだ。

新しいこと、面白いことに敏感な社風が後押し

SHaiNの導入は、他にどんな効果があったのだろう。「経営陣を中心に『面白いことを始めたな』と注目されています。現場でも機会があれば話しているので、社員たちも興味を持ってくれています。当社は『現状維持というより新しい取り組みをしていこう』という社風です。それは人事、採用でも同じですから」。採用には直接関係ない社員の間でもSHaiNが話題に上っているというのは、年間400件超というイベントを企画し、新しいトレンドに敏感な社風ならではだ。

2021年卒の採用活動が、間もなくスタートする。「一次面接に代わる選考フローとして、引き続きAI面接を使っていく方針です。中途採用についても導入を考えたいですね」。

2019年11月6日時点

スタンダードプラン

丸尾興商株式会社

面接クオリティの向上により、高モチベーションの人材獲得が実現

静岡県を拠点に管工機材卸市場では県下トップシェアを誇る丸尾興商株式会社。水道・住設・機工の各分野を網羅し、自社ブランド商品も含めた多種の資材を取り扱う地域密着型企業だ。創業半世紀という歴史がありながら、組織の見直しにも積極的に取り組んでおり、迅速かつきめ細かいデリバリー体制には定評がある。地方ならではの採用事情や成功ポイントを担当者の染葉直紀さんに伺った。

対話型AI面接サービスSHaiNを乗り越えた達成感が就職へのモチベーションを生む

静岡県に本社を構える丸尾興商は、SHaiNをサービス開始後直後の2019年採用からいち早く導入した。当初は東京や大阪などの大学に在学中のUターン就職希望者の獲得を狙ったが、実際は地元に戻って就職活動をしている人が多いため、あまり明確な反応が得られなかった。しかし、予想外の面で大きな効果が表れた。

「密度の濃い情報が獲得できることはもちろんですが、候補者が一連の採用フローを進んでいく中で、AI面接の受検が一番大変だったという印象を抱いており、大きな課題を乗り越えたという達成感を持っていることに着目しました。いわばAI面接は大きなハードルのような存在です。超えたからこそ採用されるし、超えたという自信にもつながっています。この達成感は辞退率減少につながりました」。
候補者によっては2時間以上かかることもあるSHaiNは、対人面接とは違い、じっくりと話を引き出すことが可能だ。これが受検者にとっては、全力で取り組んだという実感となり、きちんと評価されたという信頼につながっているという。

採用側にとっては質問項目だけでなく、観察項目と動画によって、面接時の様子や理解力、表現力がわかるというメリットも大きい。
「例えば、疲れなどから暴言を吐いた場合、きちんとレポートに記録されています。態度や表情も含めて、今後一緒に仕事をしていく仲間としてふさわしいかどうか、冷静に判断することができます」。

マッチングを重視し、あえて選考工程は減らさない

候補者からのSHaiNに対する反応はどうなのだろう。

「正直、まだ候補者からの誤解は多いと感じます。AIにジャッジされるのは嫌だという方が必ずいるため、説明会の終わりには10分程度の時間をかけて、「評価は人がしていること」「最終判断は企業側がすること」を丁寧に説明しています。理解されれば抵抗はないですね」。

丸尾興商では会社説明会参加後にエントリーシート(ES)提出、筆記試験、適性試験を経て対人面接2回という採用フローを行っており、SHaiNは対人面接の前に組み込んだ。来社機会だけでも最低5回となり決して少なくはないが、候補者と企業とが理解し合う徹底的なマッチングを大切にしているため、SHaiN導入は工程を減らすためではなく、情報をより得るためのツールと認識している。

対話型AI面接サービスSHaiNの情報をもとにした対人面接は効率的かつ深みのある質問が可能

「対人面接の前段階でAI面接を導入したことにより、評価レポートが力を発揮しています。事前に人となりを知り、学生時代に何をしてきたかを把握することで、より深い内容を聞くことができるし、計画的に効率的な質問ができるようになりました。また、グループ面接であっても一人ひとりに適切な質問ができるというのも大きなメリットですね。対人面接の質が上がり、会社が求める人材へのアプローチが確実にできています」。

丸尾興商ではかねてから内定辞退や早期離職防止に気を配ってきた。候補者が社内の雰囲気を知ったうえで、納得して入社してもらうため、会社説明会では入社1~2年目の若手社員に対応を任せ、本音を語らせる。手が届く年齢の先輩たちと話ができるとあって、学生たちも心を開いて質問をしているという。また、同時に行う会社見学では、たとえ汚く見える部分でも裏の裏まで見せて、何も隠さないというポリシーを貫いている。
これらの努力にSHaiN導入が加わり採用は順調だという。内定辞退率が低いため、2020年採用工程は早期に終了することができた。人事担当者の負担と採用予算の軽減も現実となっている。

2019年10月1日時点

スタンダードプラン

株式会社アキタフーズ

採用フロー改革で、距離やコストによる採用機会の損失を最小限に

「きよら グルメ仕立て」などのブランド卵で知られる株式会社アキタフーズ。通常では外部業者に委託される種鶏、ヒナのふ化、飼料配合から卵の出荷まで、すべての分野・部門を他人任せにせず、国内で唯一の「完全直営一貫生産システム」を確立している。広島県福山市に本社を構え、全国に18カ所の事業所(うち6カ所を採卵鶏農場)を展開し、「安全・安心・新鮮で、おいしい」をモットーに高品質な卵を消費者に届けている。

採用を担当している人事部次長の齊藤和毅さんにお話を伺った。

農場長による面接とエントリーシート(ES)を廃止して負担を大幅減

アキタフーズはSHaiNを2019年新卒採用より導入している。従来の採用フローでは、エントリーシート(ES)を提出してもらい、農場長立ち合いでの一次面接後、通過者には人事管理職が最終面接を行って採用決定としていた。アキタフーズにおいてもっとも負担になっていたのは、農場長が一次面接のために現場を離れることだった。生き物を扱う生産現場の責任者が不在という事実は重い。農場からの移動時間を含めての経費負担も大きかった。
「一次面接でAI面接を試験導入した時、二次面接で話した本人の印象が概ねAI面接の評価レポートと合っていたことから、現在は一次面接をAI面接に切り替え、二次面接を人事管理職が行うフローで選考を実施しています。農場長の面接もエントリーシート(ES)もすべて廃止しました。AI面接ですべてカバーできる、それ以上の情報が得られるとの判断です。これにより候補者と現場の両方の負担が大きく軽減されました」と齊藤さん。

対話型AI面接サービスSHaiNの活用で対人面接の質問を深めることが可能になる

齊藤さんはSHaiNを知ったとき、これまで考えていた採用における問題が一気にクリアになると確信したという。
「自分でもAI面接を受検してみました。最初は機械相手なのでちょっと腰が引けましたが、話しているうちにもっと聞いてほしくなります。AIが結構しつこく聞いてくる質問も、逆にちゃんと理解してくれているんだな、という気がしましたね。1時間もの間、自分がしてきたことを話す機会など普段はほとんどありませんから、手ごたえを感じました」。

SHaiNの結果をまとめた詳細な面接評価レポートにも驚いたという。
「ここまで人生がわかるんだな、と実感しました。ESは候補者の負担がとても大きいにも関わらず同じような内容になりがちですが、このレポートは一人ひとりの背景がしっかり表れます。これだけの情報を面接の前に得られるメリットは大きいです」
二次面接での質問はレポートの内容の深掘りを行っている。「自分を知ってくれている」と感じる候補者の反応は良好で、面接を効率的に進められることも大きな効果だ。

ただ、まだまだAI面接に対する誤解は感じるという。
「実際にやってみるとAI面接にはほぼデメリットはないんですけど、メディアで不安をあおるような報道がされてしまうと、AIという言葉に対する変な先入観を持つ人が出てきます。そんなことが払拭できるよう、しっかりとした認知がなされてくるといいですね」。

採用基準が明確に。選考以外にも広がる可能性に期待

アキタフーズの採用においてSHaiNは明確な効果を挙げている。応募者が増え、採用人数の確保ができたことはもちろん、2019年・2020年と2年連続で、広島県福山市の本社からはるかに離れた北海道の大学からの採用が実現した。地方の企業では、首都圏をはじめとする他の地域からのエントリーはなかなか期待できないのが現状だが、SHaiN導入によって採用地域は一気に広がった。候補者側にとっても、従来であれば交通費の負担や往復の移動時間を考えるとできなかったチャレンジが可能になっている。

齊藤さんはSHaiNの可能性に大きな期待を寄せている。
「新卒採用は内定と入社で終わりではありません。当たり前ですが、定年まできちんとパフォーマンスを発揮し続けられるかどうか。会社はそのために何億円もの生涯賃金という名の投資をします。それほど大切なことを30分程度の表面的な面接で決めるのは非常に困難なことなのです。AI面接を導入してから、私どもが求める資質を明確にして採用することができるようになりました。このデータを5年10年と蓄積していくことで、今後はさらに欲しい人材を採用できると確信していますし、選考だけに終わらせず、その人に合った育成や異動配置など、さまざまな可能性を見据えています」。

2019年9月12日時点